斜陽の情報
斜陽(しゃよう)
・太宰治の中編小説。
・『新潮』1947年7月号から10月号まで4回にわたって連載された。
・没落していく人々を描いた太宰治の代表作で、没落していく上流階級の人々を指す「斜陽族」という意味の言葉を生みだした。
Wikipedia
斜陽の名言25選
(1) おむすびが、どうしておいしいのだか、知っていますか。あれはね、人間の指で握りしめて作るからですよ
~母~
(2) 爵位があるから、貴族だというわけにはいかないんだぜ
~直治~
(3) ああ、お金が無くなるという事は、なんというおそろしい、みじめな、救いの無い地獄だろう。
~かず子~
(4) 悪漢は長生きする。綺麗なひとは早く死ぬ。
~かず子~
(5) ああ、何も一つも包みかくさず、はっきり書きたい。この山荘の安穏は、全部いつわりの見せかけに過ぎないと、私はひそかに思う時さえあるのだ。
~かず子~
(6) 普通の病気じゃないんです。神さまが私をいちどお殺しになって、それから昨日までの私と違う私にして、よみがえらせて下さったのだわ
~母~
(7) もう私たちは、何も要らない。私たちの人生は、西片町のお家を出た時に、もう終ったのだと思った。
~かず子~
(8) 他の生き物には絶対に無くて、人間にだけあるもの。それはね、ひめごと、というものよ
~かず子~
(9) 夏の花が好きなひとは、夏に死ぬっていうけれども、本当かしら
~母~
(10) いまはもう、宮様も華族もあったものではないけれども、しかし、どうせほろびるものなら、思い切って華麗にほろびたい。
~かず子~
(11) 人から尊敬されようと思わぬ人たちと遊びたい。けれども、そんないい人たちは、僕と遊んでくれやしない。
~直治~
(12) どうしても、もう、とても、生きておられないような心細さ。これが、あの、不安、とかいう感情なのであろうか。
~かず子~
(13) 不良でない人間があるだろうか。
~直治~
(14) いま思うと、私も夫も、若かったのだ。私は、恋も知らなかった。愛、さえ、わからなかった。
~かず子~
(15) 死んで行くひとは美しい。生きるという事。生き残るという事。それは、たいへん醜くて、血の匂いのする、きたならしい事のような気もする。
~かず子~
(16) 私は確信したい。人間は恋と革命のために生れて来たのだ。
~かず子~
(17) 私は自分の嘘を信じようと思った。命取りなどというおそろしい言葉は、忘れようと思った。
~かず子~
(18) 敵。私はそう思わないけれども、しかし、この奥さまとお子さんは、いつかは私を敵と思って憎む事があるに違いないのだ。
~かず子~
(19) 私には、是非とも、戦いとらなければならぬものがあった。新しい論理。いいえ、そう言っても偽善めく。恋。それだけだ。
~かず子~
(20) ああ、何かこの人たちは、間違っている。しかし、この人たちも、私の恋の場合と同じ様に、こうでもしなければ、生きて行かれないのかも知れない。
~かず子~
(21) 僕は下品になりました。下品な言葉づかいをするようになりました。けれども、それは半分は、いや、60パーセントは、哀れな附け焼刃でした。へたな小細工でした。
~直治~
(22) 僕は、僕という草は、この世の空気と陽の中に、生きにくいんです。生きて行くのに、どこか一つ欠けているんです。足りないんです。いままで、生きて来たのも、これでも、精一ぱいだったのです。
~直治~
(23) 人間は、みな、同じものだ。なんという卑屈な言葉であろう
~直治~
(24) 人間は、みな、同じものだ。これは、いったい、思想でしょうか。
~直治~
(25) 姉さん。僕には、希望の地盤が無いんです。さようなら。
~直治~