鈴木大拙の名言30選｜心に響く言葉

(1) 道徳の世界にのみ居ては、宗教の世界へは入ること不可能である。

(2) 死中、夢中、ひとまとめにして丸飲みするということができれば、仏教的になりますけど、そこに本当の安心ができると。

(3) 真っ黒になって黙々として一日働き、時期が来れば“さよなら”で消えていく。このような人間を偉い人だと自分は言いたい。

(4) 美は過去も未来もなく、唯、現在あるが故に、いつも生きているのだ。

(5) 分かったようで分からんという所に何か分かったものが無いとそう言えんのです。

(6) 死を恐れるのは、やりたい仕事を持たないからだ。やりがいのある、興味ある仕事に没頭し続ければ死など考えているヒマがない。死が追ってくるより先へ先へと仕事を続ければよいのである。

(7) 偉大な仕事は、人が打算的になっておらず、思考していないときになされる。

(8) 未来という事はないので、過去ということもないので、現在ということもないのです。ただあるものは「フッ」とこう言うと、もう過ぎ去ってしまうテン… instantですね。即今と言いますか、ただ、今ですね。今ですね。それだけが事実ですね。それを人間は知恵で色々と分析をして、時間というものを立てて1分とか2分とか何万分の1時か何億分の1とか言うて、そしてそこに未来とか過去というものをこしらえる。本当の無限の中に入れば、全てそういうものは無くなる。無くなれば未来は無くなる。そうすると現在を生きると。

(9) 我々は知性に生きるのではなく、意志に生きるのだ。

(10) 依頼心を捨てよ。これに尽きる。

(11) 科学が万能だというのは近代人の一つのミスですね。

(12) 人間は偉くならなくとも一個の正直な人間となって信用できるものになれば、それでけっこうだ。

(13) エスキモー人の集団生活というものには、個人主義とか私有財産など云う概念がないと云うのです。一人が持って来たものは、みんなで分ける、みんなで食べる。一人だけで大事な物をこっそりと持って居るなどということがなくて、一つの集団に属したものとなって居る。

(14) 意識の世界は、不可避的に、制限と、道を阻む障壁とに充ちた世界である。

(15) わしは死神と競走で仕事をする。

(16) それになりきってその他のことを考えない。

(17) 生死という形で、矛盾の問題を最も真剣に考えた民族は印度人である。彼等は生死を解脱すると云うことに、一所懸命であった。生死流転という文字は印度から出て東方諸民族の思想を支配するようになった。

(18) 禅は事実を扱うものであって、一般論を語るものではない。禅は人格の根源に直入する。

(19) 禅とは一人ひとりの実際の体験であって、分析や比較によって得られる知識ではない。

(20) 悩みの解決は矛盾を超越するところに見られる。人間は反省する、分別する、矛盾を見る、悩むとすれば、その矛盾を超越するより外に解決の途はない。

(21) 禅は不意を打つものだ。

(22) 禅とは、心の奥底にある無限の創造性に徹し、これに随順して生きること。

(23) 細かくても粗くても目には限りがある。

(24) 原始民族が、魚を取って食べるとか、それからオットセイを食べるとかいう所を見ると、いかにも人間というものが生きて行くためには、又他の生物を食べて行かなければならぬ。

(25) 西洋人は物事を頭で考えて分析・比較・対照するが、東洋人は全体を見て腹で考える。

(26) 宗教の世界は、即ち禅の世界である、禅に入ることによってのみ、道徳の真実性が認められると云ってよいのである。

(27) 愛は、自我をしてその愛する対象の中にみずからを失わしめる。しかも同時にまた、その対象を自分のものにしようとする。これは矛盾であり、また人生の一大悲劇である。

(28) 愛は実在をあるがままに正しく見ることから流れ出る。

(29)（宗教とは何ですか？）我々は無限の社会で苦しいと言っている。自由にならないとか苦しいというところに何か限られたものを感じておって、限られたものを感じるということが正しい無限を感じることに決まっておるんですね。そうでなければ無限、有限というものが苦しいと感じることもなけりゃ不満足だと考える理屈はないんですね。有限というものの中におって、そういう感情を起こすのは、すなわち裏に無限があるからだと。その無限に対する関心が欠けておると、その関心を持つのが宗教だと。

(30) 今日文明開化の人々がなくてはならぬと云うようなものは、原始生活をして居るものには何も要らない。