池波正太郎の名言20選｜心に響く言葉

(1) 細やかな心配りが男には大事なんだな。

(2) 人間の欲望は際限もないもので、あれもこれもと欲張ったところで、どうにもならぬことは知れている。一を得るためには、一を捨てねばならぬ。

(3) 近頃の日本は、何事にも、「白」でなければ、「黒」である。その中間の色合が、まったく消えてしまった。

(4) 気分転換がうまくできない人は仕事も小さくなってくるし、体も壊すことになりがちだね。

(5) 日本は民主主義になって「自由」とやらを得たが、その「自由」という言葉の空しさを知ったばかりでなく、人びとの心は「詩情」を失って乾ききってしまった。人間という生きものがもつ矛盾は、尽きる事を知らない。得たものがあれば、必ず失うものがある。

(6) 人間というやつ、遊びながら働く生きものさ。善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける。悪事をはたらきつつ、知らず識らず善事をたのしむ。これが人間だわさ。

(7) 人間は死ぬという事実こそが、自分を磨くための磨き砂だ。

(8) 自分一人だけ、わがまま勝手な事を言って威張り散らすというのは、亭主関白でもなんでもない。

(9) どこにも、甘ったれが増えるばかりだ。甘ったれの日本になってしまいつつある。

(10) 未熟ということは大切なんだよ。僕だって未熟。天狗になったらおしまいだよ。

(11) 人間は、生まれ出た瞬間から、死へ向かって歩みはじめる。死ぬために、生きはじめる。

(12) 明治維新を一概に評価はできませんが、田沼（意次）が狙ったことは、明治維新以後の薩長、つまり勤皇の連中がやったことと同じなんですよ。田沼は早く生まれすぎたんです。薩長は時代が熟した時期に、錦の御旗を掲げて強引にやったんですね。田沼の時代には、やろうと思っても周りが助けてくれない。

(13) つまらないところに毎日行くよりも、そのお金を貯めておいて、いい店を一つずつ、たとえ半年ごとでもいいから覚えて行くことが自分の身になるんですよ。

(14) すべてがわかったようなつもりでいても、双方の思い違いは間々あることで、大形にいうならば、人の世の大半は、人々の「勘違い」によって成り立っているといってもよいほどなのだ。

(15) たまにはうんといい肉で贅沢なことをやってみないと、本当のすきやきの美味しさとか、肉の旨みというのが味わえない。

(16) 人というものは、はじめから悪の道を知っているわけではない。

(17) 生きているということの意味も、だんだんわかってくるでしょうね、ときどき「死」を思っていれば。

(18) まことの人は、くだくだしく物を考え、迷う前に、先ず、動き出すものじゃという。

(19) 人生の苦難に直面した男が求めるものは、酒と女にきまっている。この二つは、それほど男にとって貴重なものなのだ。

(20) 男らしさとか女らしさという前にね、男も女も共通していちばん大事なことがあるんだよ。「人の身になって考える」ということ。